"ロスリーダー"と"サブスク"が飛び交う社会で
キャッシュレス決済について、基本的には肯定派、
少し前まで、「キャッシュレス後進国」というレッテルを貼られて生きていた島国日本は、やはりどうしてか、現金のほうが安心、カードとかは危ない。みたいな固定概念に囚われて生活しきっていた。それが、徐々にキャッシュレス文化に変容していく過程のなかで、
「どのように、日本人のこの保守的文化性を切り崩してキャッシュレス化するのか」
というのが、一つのテーマになるのだろう、と考えながら、LINE Payを導入したのが2019年2月ごろのこと。
人間が重い腰を上げる判断基準は何なのだろうか?
【TVCM】「Thinking Man」篇 第1話<60秒>【三井住友カード公式】
この三井住友のCMは、ある意味新たな時代への突入を表現したかのようなデザインで展開されたCMであった。
この独特な雰囲気観のなかで進んでいるのが、未知への訪問感が染み付く。
ある時にPayPayが100億円をばら撒けば、
在るときにLINE Payが20%の威力をそこはかとなく思い知らせる。
そうやって、この半年に、キャッシュレス決済が日本に徐々にではあるが浸透し、
「ノンキャッシュ」とまではいかなくても、キャッシュを併用するという考え方はしっかりと根付いた。完全にノンキャッシュになるのももしかしたら時間の問題なのかもしれない。
人間は「こっちのほうがお得」という視点のもとには逆らうことができない。
資本主義国としては在るべき姿だ。
だからこそ、人は安いもの、還元されるものを求め、供給元は身を削っていく。
お得になる、ということは、供給元のどこかが損をしている、ということだ。
その損は、果たしてただの「バカ損」でしかないのだろうか?
それはノーだ。
勿論、今回のケースでは、「キャッシュレス文化を浸透させる」という点で、還元するキャンペーンは大きな話題を呼んだはずで、今後の安定したサービス利用もある程度見込むことが出来る。
キャッシュレスは、日本において「導入期」から「成長期」に至っている。
さて、そのなかで、彼らはロスリーダーを採算できるまでの次の一手があるのだろうか?
ユーザー離れを起こさず、「文化を文化として浸透させる」だけの力があるのか。
期待したい部分。
「文化を文化として浸透させる」というワードで気になるのが、
最近のサブスクリプション方式でのサービス。
月額制で料金を払い、あとは好きにサービスが利用できる算段。
Apple Music LINE Musicなど、音楽配信コンテンツの利用もそうだし、
コーヒーショップが月額で飲み放題になってみたり、
居酒屋でドリンクが飲み放題になったり、
昨今のサービス業界では新しい販促方法として広がりを見せている。
売りは
「○○曲以上購入する人ならお得」
「1か月○○杯以上買う人ならお得」
という考え方である。
これも、お得を訴求して文化を創り出している。
そしてサブスクが非常に気持ち悪いと褒める部分は、
「ついで買い」を巻き込む引き金となっている点であると思う。
居酒屋のサブスクなら、そこでついでのつまみを購入してもらうことで利益を得る。
同業他社との競争のなかで、サブスク会員であるがゆえに、「自社を選択してもらう」要因になる。
グループで飲みに行くなら、1人がサブスク会員だから、という理由でその他の人間の含めた集客が見込める。
こうして、消費と供給が複雑に絡み合って、利益を捻出する、という発想を最初に思いついた人は、本当に凄いと思う。
そのなかで、その文化を創り上げる過程の魅力