"バイトテロ"とのむきあいかた
バイトテロという言葉が存在し始めた昨今。
いろんな議論が交わされているけど、いろいろ見当違いな方向に向かっている気がする。あくまで自分の立場は表明しておきたい。
人間というものは性悪説からなるものである。
という話は自分の中では自明で、ここでの説明は省略したいんだけど、
人間は、強制されなければ必ずさぼったり、ふざけたりするものだということは前提として話しておきたい。人間というのは漏れなくバカなのだ。
何故バカなのか?それは自覚がないからだと思う。
その賃金が高いか安いか不当かはさておき、自分の労働という投資に対して、対価の賃金が月給制で払われることが飲食業界ではほとんどだと思う。
自分の労働が、売り上げの何割を占めていて、人件費もろもろ、そういったものを計算して、アルバイト雇用契約を交わした時点で、自分にどれだけの責任が伴っているのか。自分のなんとなくのアルバイトがその会社の命運を握っているのか。を理解しなくてはならない。これは雇用者も被雇用者も。
自制が効かない、モラルのないバカは本来働くべきではなくって、特に顧客に対する信頼がものを言う業態では、バカは勤めるべきでないのだ。
逆に、アルバイトを雇う人間も、面接というものもあれば、雇用契約に従わない場合は契約を解除する権利もある。バカは徹底的に切り捨てるべきなのだ。
ではなぜ未だにバカは消えないのか?
それは労働力不足からくるものだ。
何故だか知らないが、アルバイトという非正規雇用者に対して、最近は彼らの権力、権限、責任といったものが大きくなりすぎているのだ。
例えば一つの飲食店には、社員が1~2人で、残り十数人はアルバイトで経営している店舗というのはそう珍しくないのだ。
恐らく、非正規雇用というのは、本来社員が埋めるべきシフトの足りない分を補填するために雇われるべきとして経営理論として正しいのだろうが、現実は逆だ。非正規雇用がまずシフトを埋めて、足りない所に社員が入る。別にどこの話をしているわけではない。
なぜそうなるのか?
それは人件費がかからないから。
低価格戦略を勝ち抜くために経営陣は様々な観点から、固定費、変動費の削減に日々奮闘している。そこで日の目を浴びたのは人件費だ。人件費が安ければ、それだけ会社としての利益は大きく出る。だからこその非正規雇用だ。彼らは保険等の加入が不要な人間がほとんどで、所得税も対象外。面倒な手続きもなく、単純な時給制で彼らの充足は満たされるのだ。それを経営陣のご都合主義なんて言うつもりはさらさらない。
ただ、それでテロが起きかねないということ、危機察知。
日々労働者不足に悩まされる現場と、その労働者の問題行動ひとつで会社すべての信頼を落としかねないリスクと戦うフロント。
明らかに、分離されすぎている気がしてならないのだ。店舗は店舗の問題だから俺達本部はしーらないって話をどこかで小耳にはさんだことがあるけど、それで果たしていいのか?同じ傘下にいるのに。全社経営のかけらもない。
アルバイトをはじめとした非正規雇用者も人間だし、それを動かす本社も人間だ。彼らを繋ぎ合わせるのは綿密なコミュニケーションに他ならない。
もっと社内をミクロな観点で、経営組織としての観点で見ないといけない。足元を掬われてしまう。
なぜか?人間はバカばっかだから。自制ができないから。人に言われないとやらないから。
人間がその組織に属するうえでのモチベーションは、人それぞれだ。それを平均してみてはいけなくって、一人ひとりを感じなくてはいけない。
今までいろんな組織に属した人生だった。やっぱり、意識の差というのはどうしても出てくるし、皆が皆同じ方向を向いて進めることはまずないだろう。
だからこそ、どうすればいいのか。
みんなバカなの。何度も言うのはこれが重要で、本当に人間がみんなそれに無自覚だから。
バカなのに、権利だとか決まりだとかうだうだ主張してる。
物事の本質を見極められないと、人生大損だ。
結論。
バイトテロを止めることは不可能。なぜなら、今の労働状態がよくない。無自覚で当たり前の非正規雇用が圧倒的多数を占め、権限や責任を多く被っているから。
そのなかでもそれを自覚した人間もいるのかもしれない。
それでも、非正規雇用を評価する人間は、平均値で、中央値で、最頻値で評価する。
それでいて、所有と経営の分離、ではないのだろうが、明らかな上流と下流での分離状態。そして、コミュニケーション不足。
挙げてもキリがないほどだ。解決策?いっぺしの引きこもりに何を求めているんだ?
ただ、バカのせいで、その組織全体が低く評価を見積もられて、そして、その中で、ほんとうはほんとうに真摯に頑張っている人間が一緒に評価が低くなってしまうの、とっても勿体なくて、悲しいことだと思うんだ。